週末にギター関係のDIYを敢行した。昔から手先の不器用な私であるが、事前の情報収集と綿密なイメージングのお陰か、今回は大成功を収めることができた。今日は備忘がてらそれについて。
ギターのカスタム第一弾としてブリッジピンを交換したことはこちらでご報告したとおりだが、今回のテーマはサドル(ピン穴から出た弦が乗っかっているパーツ)である。ピンはただ差し換えればよかったのであるが、今回は “加工” が必要となる。
そもそもなにゆえの交換か。音質改善の意味合いもあるが、主眼は弦高調整である(少し下げたい)。
弦高(げんこう)というのは、弦と指板の間の距離であるが、これが離れていると弦を押さえるのが難しくなる(よく「Fコードで挫折した」というような話を聞くが、弦高の低いギターだと押さえやすいというわけですね)。
もちろん、低ければ低いほどよいというものでもない。下がると鳴りが悪くなるし、弦は振動して音を出しているのであるから、指板に干渉してビビることもある。プレイスタイルにもよるようだが、アコギでは一般的には(12F6弦で)2.5~2.8mmぐらいが適正値のようである。
うちのこげ器は、ネックを反りのない真っすぐな状態にセットアップしてあるが、ライトゲージをチューニングした状態で3.0mm強(12F6弦)。やや高い(=押さえづらい)。
弦高はサドルを削る(サンドペーパーなどで)ことで下げることができる。しかし、弦高が下がることで鳴りが悪くなるのもなあと思案していた*1。それに、いったん削ってしまうと当然ながら元に戻せない。ブリッジピンのように “ダメなら戻せばいい” というわけにはいかない。
しかし、はたと思いついた。今のサドルには手をつけずに、新たに別のサドルを購入してそれを加工すればよいのではと(一般的に、サドルはさほど高価なものではない)。おそらく現状ではサドルは樹脂製であろう。せっかくなら、より “鳴る” 材質のものに換えてやろう。
サドルの材質としては、象牙!や金属、牛の骨や角、プラスチックとさまざまなのだが、今回はよく鳴ると評判の TUSQ(タスク)をチョイスしてみた。人口象牙というヤツで、カナダの会社(GraphTech社)のものである(ストックしてある弦とともに撮影してみた)。いつもの内職ポイントを使って amazon でお買い上げ(900円ちょっと)。
まず、弦をだるだるに緩めてピンを抜き*2、ブリッジからサドルを外す。サドルは「逆さまにして落っこちない程度」がいいらしいが、現状のこげ器はやや緩めである。このサドルはそのままとっておく(失敗した際にはこれをそのまま戻してやれば、作業前の状態に復元できるというわけである)。
旧サドル(下)と TUSQ のもの。
TUSQ のサドルは上面こそ加工されているものの、長さも厚みも大きすぎてこのままではブリッジの溝に入らない。作業前に重さを計ってみたら、3.7gであった(加工後に2.3gになったから、38%ほど削ったようである)。
加工にはサンドペーパーを用いる。100番、320番、500番、1000番と用意して取り組んだ。
まず、とりあえずブリッジに嵌るように、短く・薄くするべくサンディング。せっかくならピタッと、と微調整を繰り返して、「逆さまにして落っこちない程度」を実現できた(ここまで10分)。
あとは高さ。ひたすら削っていく。底面をフラットにしないと音のアウトプットに影響する(アンダーサドルタイプのエレアコ)とのことで、(ある程度目標の高さに近付いた後は)“平面に平面に” と唱えながら。
サドルは最初は高さがあってつまみやすい状態だったわけだが、当然ながら削るうちに低くなって持ちづらくなる。右手指に水ぶくれができそうな感じではあったが、40分ほどかけて成形完了。
ブリッジに戻して弦を張ってチューニングし、弦高を測定すると2.6~7mmほどか。とりあえずは狙った数値である。
ちょっと爪弾いてみると、音には豊かな広がりが! アンプを通してもふくよかな音が! サステインがスゴイ! えへへ (^^♪
そして重要なのはビビらないこと。カポタストを5Fあたりに嵌めてアルペジオしてみたが大丈夫。うまくいった。あと0.1~2mmほど下げてもいいかもしれないが、微調整は次の弦交換のときでいいだろう。
ガキのころからこの手の工作はうまくいった記憶がない。ほとんど初めて思い通りの結果を出すことができた。やはり「オリジナルには手を加えていない」という安心感が大きかったかと。
<ブリッジピン交換+サドル交換> で、かなり満足のいくカスタマイズができた(音がよくなり弾きやすくなった)。かかった費用は2,000円ほどである*3。ちび器でも試してみようかな。
で、お約束のいつものフレーズであるが、そのうち音源をアップしたい、と結んでおくことにする。