カクカクの北海道Uターン週記

「元」日本語教師 /「元」旧司法試験受験生によるカクカクの北海道Uターン週記

MILO号購入記 ~ その3

 ロードクリアランスが大きい4WDを、トヨタ車を中心に考える。
 
 今はSUV全盛の時代である。小さいクルマでなくていい、と考えると選択肢は少なくない。例えばRAV4である。
 

 
 仕事(+ギター)の大先輩がRAV4に乗っていて、ときどき(月に1~2回)隣に乗せてもらうことがある*1。そのたびに、いいクルマだなあ、いつかこんなのに乗れるようになりたいなあ、と思っていた(買替えを考え始める前から)。
 
 
 RAV4は、確かにサイズはちと大きいし、分不相応にお高いクルマではある。しかし、“最後のクルマ” になるかもしれないというなら、ケチってはいられない。念のため、とカタログを請求してみた(2月上旬)のが、今回のMILO号契約につながる第一歩であった。
 
 カタログ請求はトヨタのサイトから(ネット上で)したわけだが、その際ディーラーを指定する必要があった。このあたり(=隣町。当地にはカーディーラーはない)には、トヨタ系ディーラーが3つある(トヨタ店ネッツ店トヨペット店)。トヨタは例の「全車種取扱い」制を採っているから、RAV4もどこでも買える。よって、指定は3つのうちどこでもよかったのだが、トヨペット店を選んだ。
 
 京都での日本語教師時代、滋賀のトヨペットに大変世話になっていた。社長にも可愛がってもらい、彼の地を引き払う際には、社長が自社の定年退職者に贈呈しているという記念品などを頂戴した。もちろん、こちらのトヨペット店とは全く関係ないわけであるが、緑色の看板には愛着があるのである。

 

 
 

 さて、カタログの請求から数日後、そのトヨペット店の営業スタッフの方(=Kさん)から電話があった。申込みのあったカタログを直接お届けに上がりたい、とのことだった。そこで、こちらから取りに行くことにして、週末に妻と2人で行ってみた(自宅からはクルマで10分ほど)。
 Kさん(同年配かなと思われた)がカタログを持って来て、しばしお話しを。さして広くない店舗には、お目当てのRAV4は置いておらず、SUVでは青いカローラクロス(カロクロ)があった。
 

 
 カロクロを眺めたり乗り込んだり。うーん、ちょっと “旧い” かな(思想も名前も)。地味だしね。しかしモノとしてはいいクルマなんだろうな。それにしても、まさか俺が「カローラ」を買うかもしれないことになるなんて……などと感慨に浸っていると、妻が、あれは何?と。彼女の指さす先にあったのは、試乗車として店舗前に停められていた真っ白なヤリスクロス(ヤリクロ)であった。
 
 

 よかったら乗り込んでみますか?とKさん。現車を屋根のある工場に移動してくれた(そのころには大雪になっていた)。どれどれと乗り込んでみる。
 ……インパネの計器がキラキラとライトアップされ(工場内で暗かったためライトが点灯していた)、第一印象は「お洒落」。しかし、内装の意匠全体としては何となく目新しさに欠けやや古い感じがする。すっきりしていて悪くはないが、漂う空気感は、SUV的な骨太な感じでなく、繊細でエレガントである。

 
 私は「ふうん、なるほど」といったところであったが、妻がいたく気に入ったようで、このまま買って帰ろうか(笑)というぐらいの勢いであった(カロクロは外観がお気に召さなかった様子)。
 
 私も、RAV4は流石に身の丈に合っていないとは感じていた。お値段もそうだが、サイズもデカいし(ホイールベース2,690mm)、何より車格が(ハリアークラスですね)。オレンジ号から2つ3つ以上車格が上がって、まごうかたなき高級路線である。今のRAV4は、その昔キムタクがCMに出ていた、初代RAV4とはコンセプトが違うのである。

 

 
 もし、RAV4を買ったら、“落ち着いた大人” になってしまうこと請け合いだ。私はまだまだ、青い・やんちゃな自分でいたい。その点、ヤリクロなら、ちょっとお上品すぎる気もするが、オレンジ号から乗り換えるなら<FIT1.5L → Yaris1.5L>であるから、自然ではある。

 
 Kさんに、「どうやらRAV4はなさそうです。ヤリクロを考えてみようと思います」と告げ、ヤリクロのカタログをもらって帰った。小さくなくていい、というところからRAV4を考えたが、そこからぐっと小さくなった。が、もちろん小さくたっていいのである。
 
 

 その後、ヤリクロについて情報収集してみた。ヤリクロは、言うなら “プアマンズハリアー”。小さめの都会派SUVで、いやSUVというよりクロスオーバー的な*2クルマで、砂利道や雪道よりも舗装路が似合う。 国際戦略車(群)であるヤリス族の一員だから、トヨタとしても力の入ったモデルである。乗ってみないとわからないが、悪いクルマであるはずがない。
 
 買うならガソリンモデル(← ハイブリモデルよりも4WD性能が上)かなとか、このオプションは付けときたいなとか、カラーはシブい青+黒のツートーンがいいかなとか、けっこう真面目に考えていた。もともとは、RAV4(乗り出し400万オーバー)が頭にあったわけで、ヤリクロ(同300万オーバー)は、予算的には想定内であった。
 

 
 3月末ごろまで継続してヤリクロに関するネット上のレビュー記事やらYouTubeの動画やらを子細にチェックした。知れば知るほどいいクルマで、ほぼこれ以上は望めない。ウチのニーズにピッタリではないか。ちょうど、夏か秋ごろにマイナーチェンジ+新グレード投入(現行のネガを消したアドベンチャーなるグレードが追加?)の予定があるらしい。これって「買え」のサインなんじゃないか? ……日記を読み返して確認すると、26日に「もうほとんど決まりだな」の記述がある。
 
 
 ところが、事態は急変する。4月になってトラ号が負傷(こちら)し、Fガラスの交換をトヨペットにお願いすることになったのである。で、代車として出してもらったのがライズ。こうして 運命はめぐりあった のである。
 
 ライズはちょうど1週間ウチにいたのだが、このわずかな時間で私はすっかりヤラれてしまった(このへんはこちらを参照)。
 
 着座位置が高く、しかし腰高感はなく、自然なドラポジが取れる。高い目線とスクエアなボディ形状で見切りは極めてよい。ハンドルもよく切れるから、ちょっと寄せるようなときもラクである。

 エンジンは軽快そのもので、ターボラグは感じない。ラバーバンドフィールのないCVTとの組合せも良好で、オレンジ号並かそれ以上に元気に走る。

 乗り心地もよく、後部座席もちゃんと座れて、ラゲッジも広い(4mを切る!車体なのに)。うーん、文句なし。
 
 札幌往復もしてみたが、燃費も悪くない(20km/Lを超えた)。峠も、何の痛痒も感じないままに越えた。剛性感のあるシフトレバーを運転席側に倒し、スポーツモードあるいはマニュアルモードを使ってワインディングを走ると気持ちよかった。さらにステアリング上のPWRボタンを押すと、エンジンは鞭が入ったように一段と力強くふけ上がり、ぐんぐんぐいぐい進んでいく(ターボ加給のDOHCエンジンではあるが、わずか1L=3気筒エンジン!なのに)。ハンドリングもダルでなく(車体が軽いためか)ライトウエイトスポーツのようですらあった。

 
 確かに内装はプラスチッキーで安っちいことは否めない(代車はほぼ最低グレードであった)。が、外装同様に武骨で好ましくもある。ライズはスペシャリティカーでなくヘビーデューティSUVなのだ、と考えると、革張りにキレイなステッチ、というのでは逆に似つかわしくないとも言える(そうだとしてもやっぱり安っちくはあるけど)。
 
 トラ号の修理が上がってライズを返却してからさらに本格的に情報を集め、じっくり検討した。上に挙げたように美点はいろいろあったのだが、それより何よりキーとなったのは “思想” の若々しさである。ここに強く心魅かれるものがあった。このクルマはオレンジ号と同じベクトルで、むしろさらにアクティブだ。乗ることで若返れる。サイズも小さくて、今までどおりぶん回せる。普段着のまま、自然体で肩肘張らずに長く付き合えそうだ。次の相棒はこれだな、と。

 このクルマにオレンジ号と同じだけ乗ると私は70歳!になる。「この小さくて元気なクルマを転がしている70歳の自分」を想像するとワクワクする(トラ号に覚えるワクワク感と通じるものがある)。
 
 
 実は、営業のKさんにはヤリクロのガソリン4WDモデルの試乗車を手配してもらっていたのだが、彼にはライズ一本で考えることにしたとキャンセルの連絡をし、GW明けに話しを聞かせてください、と告げたのであった。
 
 
 ~ その4に続く ~

*1:その方はC-HRも持っていて、それにもたまに乗せてもらう。乗るたびに思うが、C-HRは現代のプレリュード=カップルズカーですね

*2:車名にも “クロスオーバー” と入っていますね