カクカクの北海道Uターン週記

「元」日本語教師 /「元」旧司法試験受験生によるカクカクの北海道Uターン週記

iPhone Reborn

 先日のエントリー(こちら)で、Apple ID が乗っ取られてしまったことを報告しましたが、遂にというべきかやっとというべきか、19水 pm に目出度く 復活 しました。この間、ご迷惑とご心配をおかけしました。
 
 
 iPhone とか iOS のことは、(ほとんどのユーザーがそうであるように)よくわからないまま使っていた*1。今回のことで、少しばかり勉強することができた。ここに、復活までの道のり(大袈裟)を記しておくことにする。以下長文です。
 
=コンテンツ=
 1. 異変に気付く(ID が乗っ取られる)
  *Apple サポートについて
 2. Appleアクティベーションロック解除を依頼する
 3. 旧5s にて、新 ID を取得して環境構築
 4. ロックが解除される
 5. リカバリモードから初期化
 

 
1. 異変に気付く(ID が乗っ取られる)
 iPhone(SE2)の異変に気付いたのは4/21水の夕方である。頻繁に Apple ID のパスワード入力を求めるポップアップが現れるようになった。入力してみても違うとはじかれるので(パスワードを間違えている可能性はほぼなかったのに)、その都度 <キャンセル> で逃げていた。一晩過ぎれば何事もなかったようになっているのでは、と根拠なく楽観していた。
 
 しかし、翌22木になっても同現象が再現された。その時点では(ポップアップはウザったいものの)“実害” はさほどないとも思われたのだが、私は出勤が午後なので、午前中は割と時間がある。そこで、Apple のサポートに電話してみることにした。
 
 
Apple サポートについて
 少し横道に逸れるが、ネット上でその “神対応” ぶりが評判の Apple サポートについて。それをおおいに実感することができたので記しておく。
 
 今回のことで、最終的には合計10人ぐらいと話したのだが、ほぼ全員がホスピタリティ溢れる対応をしてくれた。専門的なことになると、“スペシャリスト” と呼ばれる上席の人間に替わってくれたりもした。
 
 しかし、何より感動的だったのは「電話がつながる」「人間と話せる」ということである。
 
 例えば、PC が動かなくなってメーカーに問い合わせるべく電話をかけたとする。この場合、あなたは(運よく電話がつながったとしても)“人間” と話すまでに何ステップも踏まねばならない。例の「○○についてのお問合せは “1” を、××については “2” を」…というヤツが立ちはだかるのである。
 そもそも、その番号に電話をかけているということは “そうせざるを得ない非常事態” が起きているということだ。控えめに言っても相当 テンパっている わけだ。そんなときのあの脳天気なアナウンスは心底腹立たしい。
 
 さらに、長い長いメッセージの最後に、「……オペレーターとお話しになりたい方は、平日の○時から×時までの間におかけ直しください」などという場合すらある。最終的に人間と話せない、ということも珍しくないのである。
 
 Apple のサポートでは、ダイヤルしてから ほぼ2分以内*2に “人間と話す” ことができた。
 例のアナウンスも、2度目以降の問合せについては変わった(電話番号などの情報から判断していると思われる)。「最近お問い合わせいただいた件については “1” を、それ以外については “2”を…」などという具合に。
 
 もちろん、前述のように “テンパっている” 状況であるから、すべてがスムーズでストレスフリーというわけにはいかない。しかし、少なくとも相対的には、ほぼ最高のクオリティであったということを申し上げておく。
 
  
 閑話休題Apple のサポートに電話してみることにした、の続きである。
 現象を伝えたら、私の iPhone を直接覗いてみてもよいかと(Windows では、遠隔で直接操作をしたこともしてもらったこともある)。それにより不具合を確認してもらい、パスワードを間違えたりしているのではないことを理解してもらった。
 上席に替わってさらに話すと、どうやら ID が乗っ取られているようであると。現象が出始める直前に何か変わったことをしなかったか、誰かに貸したりしなかったかと。もちろんそのような覚えはなかったわけだが、いずれにしても現状は ID が乗っ取られた(のと同じ)状態になっていると。

 
 では、どうすればよいか。答はシンプルである。<iPhone を初期化して(新規の ID を取得して)使う> しかないと(さもなければ、iPhone そのものを諦めるしかない*3)。
 
 一択だというなら、文字どおり No Choice である。初期化上等っ、やってやろうではないか。初期化のための手続(=アクティベーションロックの解除。下記2.を参照)についてメールを送ってもらうことにして電話を切った(1時間以上話していた)。しかし、何でこんなことになっちゃったのかな……
 
 
 ……と、しばらくたって思い出した。そういえば、午後「お荷物のお届けにあがりましたが不在のため持ち帰りました」的な SMS が来てたっけ。そこに記載の URL をクリックしたら Apple ID のパスワードを入れなさいと言われたっけ……冷静に考えると怪しすぎる。
 ググってみたら、典型的なスミッシング(Smishing:SMS と Phishing を組み合わせた造語だそう)詐欺である。やられた… のであった。
 

 
2. Appleアクティベーションロック解除を依頼する
 <iPhone を初期化して(新規の ID を取得して)使う> ために “アクティベーションロックの解除” が必要であるという。
 iPhone は、紛失したり盗難されたりしたときでも、知らない人に端末の中身を勝手にいじられないように工夫がしてある(アクティベーションロック)。それを解除しないことには手が付けられない。それこそ始まらないわけである。
 
 ID を乗っ取られた今、私の iPhone は、Apple 的には “乗っ取った人間のモノ” なのであって、彼 / 彼女以外はいじれないのである。
 
 送られてきた Apple からのメールにはロック解除の方法が記されたURLが貼ってあった。要は、“自分は確かに当該 iPhone のユーザー(オーナー)である” ということを証明するブツを提出*4せよと。
 
 私はまず、購入時のレシート(ヨドバシカメラ発行)を送った(ラッキーなことにたまたま残っていた)。昨年9月付のものである。
 ちょうど1週間経って、Apple からメールが来た。
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 「所有を証明」するためにさらに情報を出せというのである。所有権の証明は、法学部的には悪魔の証明 である(私は旧司法試験第二次試験短答式に4回合格しております)。悩ましいが、先に送ったレシート=甲と iPhone の箱=乙、それに加えてシリアル番号等の端末情報を書いたメモ=丙の3点を撮影して送った。端末情報をレシートに直接書き込まなかったのは、あの小さい紙きれの空きスペースに細かい文字で数字を書き込むと読みづらいだろうなと “配慮” したつもりだった。
 
 再びちょうど1週間後、同じように Apple からメールが来た。前回と一字一句全く同じ文面である。これでは、何が不足していたのか、何がいけなかったのかわからない。Apple サポートに電話して聞いてみたが、彼らも <証明のための書類> については無知なのであった(あえて知らされていないとのこと)。

 しかし、「シリアル番号等をレシートに “直接” 記入しましたか」と聞かれたので、メモ用紙に大きい文字で書いたと答えたら、それがマズかったのかもしれないとのこと。直接書き込むことが推奨されているようだと。
 そんなものかなと思ったが、サジェスチョンのとおり、↑のレシート=甲にシリアル番号等を直接(極小の文字で)書き込んで、箱=乙とともに撮影して送った。
 
 今度は1週間後に音沙汰がなかったので、うまくいくかもしれないと期待しつつ、初期化が成功した後の環境構築をスムーズにするため、旧機=5s*5で作業を始めた。
 
 
3. 旧5s にて、新 ID を取得して環境構築
 目論んだのは、<新 ID を取り、5s で環境構築 → それを iTunes で PC にバックアップ → 初期化なった後のまっさらな SE に移行> という流れである。
 
 
 久々に 5s の電源を入れて、写真等を PC に避難させ(Syncios を利用)、連絡先を打ち込んだ。普段 SE で使っているアプリ(この機会に減らしたが、それでも70弱あった)をインストール(→ ログイン → 諸設定)。
 以上のことは、平時であれば iCloud 経由で戻せるので何の問題もない。しかし、ID が乗っ取られている今回は、当然ながらその iCloud が使えない。PC に SS として残すとか手打ちするとか、何らかのアナログな方法をとる必要がある。
 例えば「道の駅」のアプリに残る「過去に訪問した道の駅のデータ」は、Excel に手打ちした。LINE のトーク内容なんかは、バックアップが取れないので基本的にはサヨウナラであった(涙)*6
 
 
4. ロックが解除される
 さて、そんなこんなできっかり2週間後、Apple からメールが。
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 やった。最初にアクティベーションロック解除を依頼してから28日目であった。ネット上にはもっともっと長期間かかったケースも見られる。また、この2週間で、環境をある程度構築することができた(上記3.)。いろいろとラッキーだった(と考えることにする)。
 
 
5. リカバリモードから初期化
 あとは、送られた URL に記載の方法で淡々と作業を進めればよい*7。こうして、我が SE は無事に初期化された。
 
 そして、予定どおり PC(iTunes)を使ってデータを移行すればよい……
 
 ……ん~と、そういえば、iPhoneどうしをかざすだけで~~とかいう 裏技*8があったんじゃなかったっけ? 機種変更後にその情報を知って、知っていればデータ移行に苦労しなかったのに、と思ったことがあったよなあ。
 ちょっと調べてみるか、とググったら「クイックスタート」というのがそれ。試してみた。
 
 うげげ、なんだこれは。あっという間ではないか。きわめて安直である(驚愕)。

 簡単に言うと、2台の iPhone(データの渡し側と受け側)の Bluetooth を On にして近いところに置き、現れる画面の表示に従って何度かタップ。あとは待つだけ、なのであった。
 
 こうして簡単に 5s → SE にデータ移行ができた。あの2週間、地道に作業を進めておいてよかった。あとはいろいろ整理するだけである*9
 
 なお、連絡先については注意が必要である。Gmail との同期が入っているといろいろ面倒なので、これを切っておくのがコツである(ピンク矢印をタップしたのが写真右)。

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 ……と、こういうわけで、iPhone のある生活が戻ってきた。ああ何という幸せか。当たり前のことが当たり前にある悦び。現在の ”異常な日常” で思い知らされた、“普通” の尊さよ。

 

 雨降って地固まる。トラブルを経ていっそう愛着が芽生えたというわけなのでした。

 

*1:Windows のことはある程度(上位5%?)わかっているつもりである

*2:10回ほどかけたが、1回を除いてすぐにつながった。最も待った場合で3~4分程度だったか

*3:ネット上にはそうした=新しい iPhone を購入した=例も見られる

*4:ブツを写真に撮り、あるページから Apple に送る

*5:幸運なことに、今回の ID からはサインアウトしていた

*6:一度は諦めたのだが、ごにょごにょしたらナント戻すことができ、ほぼキープに成功した!!。われながら、スゴい

*7:実はここでもトラブってサポートに SOS した。記載の方法が誤っていた!ので、Apple には修正しておくことを提案しておいた

*8:実は “裏” でも何でもない通常の手段である

*9:PC に設定等をメモしておいたのもわれながら GJ であった