カクカクの北海道Uターン週記

「元」日本語教師 /「元」旧司法試験受験生によるカクカクの北海道Uターン週記

鱧とマツタケ

 ようやく朝が涼しくなった(夜はまだ暑い)。日中はまだ34〜5℃にはなるので、「秋が来ました」とはならないのだが、それでも「小さい秋見つけた」とはいえる状況にはなったかな。
 
 さて、京都の夏は鱧(はも)である(←『美味しんぼ』のパクリ)わけだが、その鱧を、あろうことか秋の味覚の王様であるマツタケと併せて、食してしまった(鱧とマツタケの土瓶蒸し)。
 人生で最初で最後になるかもしれず、本当はいろいろな角度から何枚も撮影したかったのだが、空気を読んで1枚だけ撮影。貴重な1枚をどうぞ。
 
 
 前回のエントリーでも書いた、公益財団法人移行のための臨時総会が月曜日にあり(お陰さまで一応は無事に終了しました)、それに合わせて現財団の理事長が東京から上洛。そうはない機会なので、理事長を囲む会を一席設けた。土瓶蒸しはその席で供された一品なのであった。
 
 例の、“和服の仲居さんが料理を一品ずつ運んできてはその都度、食材及び調理法等を述べるスタイル”だったので、どうにも落ち着かなかった(京風の味は堪能できたけれど)。
 このパターンだと、客は最後に「お食事をお持ちしてよろしいか」と訊かれるわけだが、これはどうにかならないものか。フランス料理だと、コース料理であっても、中央のバスケットにはパンが置かれ、途中で食すこともできる。和食でも、中央におひつを置いておいていただきたいと強く思う(関係者の方々いかがでしょう)。
 今回も、最後に出てきたごはん(=「お食事」)についてきたのは、味噌汁と漬物だけであった。さっきの一品一品をおかずとできたらどれだけよかったか、というのが、下戸の偽らざるところである。
 
 さて、ネガティブな感想はさておき、土瓶蒸し。実に見事でありました。
 美味しんぼ知識はあっても、実際に目にし、口にするのは初めてで、どう食すべきか分からなかった(笑)のだが、蓋を開けてスダチ?を絞り入れるとよいらしい。やってみると、うむ、一段と香り立つ。汁をお猪口様の器に移し(この際、うまくできずに随分と尻漏りさせてしまい失笑を買った)、クイッと傾けると日本酒を一杯やっているかのような心持ちに。なかなかいい感じである。
 鱧ないしマツタケだが、マツタケは香りあるいは出汁担当なのか、感動するほどは美味くなかった。鱧は、初めて食ったが、美味(因みに私はウナギを好まない…関係ないかな)。細かく包丁が入れられ(噂の「鱧の骨切り」)、十分に仕事がしてあった。
 
 坂本竜馬もこれを食ったのかなあ、などと思いをめぐらすうちに、(そうはいっても、銀シャリに焼いたシャケの方が…)などという気持ちも失せていくのでありました。