カクカクの北海道Uターン週記

「元」日本語教師 /「元」旧司法試験受験生によるカクカクの北海道Uターン週記

スマートフォン

 1年と3ヵ月前に使い始めた携帯電話(正確にはPHS)。お互いの連絡用に利用することがほとんどの我々夫婦にとって、現状に何ら不満はなかった。
 
 しかし先日、電話会社から “お得なキャンペーン” の広報があり、思い切って木曜日に機種変更(端末を新しくすること)してきた。
 
 このキャンペーンというのは、「実質タダで新しい機種が手に入りますよ」というもの。今の機種を使い続けても、そのうちバッテリがダメになる。恐らくは1年か2年後、その交換に数千円はかかるであろうことを考えると、(機種変更に伴って)バッテリが新品になる、というメリットだけでも大きい。
 
 もちろん、複雑な操作方法を一通りマスターし、やっとそれなりに使えるようになってきた我々である。新しい機種に乗り換えることには抵抗もあったし、使い捨ての風潮に流されるようで気持ち悪い部分もあった。しかし、今回は上記メリットを考え、変更を決断したのである。
 
 妻は、今まで使っていた機種をよりグレードアップしたものを選んだのだが、私は、この機会にいわゆるスマートフォンにトライしてみることにした。
 
 スマートフォンというのは、簡単に言うと、電話とパソコンの中間的なものである。
 
 普通のケータイも、例えばメール機能や電卓などがついているわけで、ある意味パソコン的要素は入っている(だから年配の方にはとっつきにくいし、電器店における売場もパソコンコーナーかその近くであることが多い)。しかし、あくまで「電話」であるから、キー(ボタン)はプッシュホンのそれに近いものになっているし、形状もコードレス電話の子機に近い。
 
 これに対し、スマートフォンは、「持ち運べて電話もかけられるけれど、あくまでパソコン」。電話としての使い勝手はある程度割り切って、パソコンとしての機能を重視して作ってある。例えば、大きさはポケットに入るギリギリのところだし(あまり小さくすると、パソコンとして使いにくい)、OS(基本ソフト)としてWindowsが入っており(Intel insideのマークが付いてもいる)、操作性はパソコンに非常に似ている(このため、「ウィンドウズケータイ」と呼ばれることもあるらしい)。
 
 ノート型パソコンも持ち運べるようになっているわけだが、その場合はカバンに入れて「よっこいしょ」となるし、外で作業をするとなるとバッテリが頼りない。また、PDAと呼ばれる小さなパソコン(文庫本ぐらいのサイズ)もあるが、それを耳に当てて電話する、ということはできない。
 
 スマートフォンは、これらと比べると、よりケータイに近いサイズ/形状であり、パソコンの血が2/3ぐらい入っている混血児なのである。
 
 写真を参照いただきたいが、今回私の選んだものは、画面下にケータイ電話同様のキーが並んでおり、タバコをふかしながら片手でメールを打つことができる(PDAにはこれがないため、操作は常に両手で行うことになる)。
 
 
 その一方で、裏側がスライドするスライド式となっており、それを引き出すとパソコンとほぼ同じ配列のキーボードが現れる。このキーボードは、両手で打てるので、長い文章を作る際には重宝する。また、スタイラスペンが付属しており、それをパソコンのマウスのように使うことが可能だ(ペンの先で画面をなぞるなどする)。

 
 まだマニュアルに目を通したぐらいなので、もちろんよく分かってはいないのだが、このツール、なかなか、である。
 
 電話やメール/ネットはもちろんのこと、デジタルカメラ/ビデオ、ボイスレコーダ、ミュージックプレイヤーとしても使え、パソコンと同じようにワード、エクセルが動き、さらにスケジュール管理も可能だ。また、USB接続が可能なので、さまざまな拡張性があり、例えばプリンタを繋げば印刷だってできる。
 
 無論、本物のパソコンと比べるとスペックが貧弱だし(とはいえ、ちょうど1年前まで使っていた私の旧パソコンよりも性能は上なのだが)、両手で打てるキーボードを備えているとはいえ、その打ち易さはパソコンのキーボードとはまるで比較にならない。また、電話として考えても、使い勝手は必ずしもよろしくない(この点、妻の新しいケータイは、軽くて薄く、携帯性抜群である。また本当に使い易さを考えた作りになっている)。
 
 しかし、コレさえ持っていれば、ほぼ困ることはないだろうと思える実力である。インターネットに接続できるのだから、世界中の情報にいつでもアクセスできるわけだし、パソコンから必要なファイルを持ち出して、空き時間に外出先で作業することができるのである(そういう便宜のため、パソコンとの連携性がよく考えられている。パソコンと同期=内容を揃える=したりという作業も容易である)。
 
 これで、入手にかかった費用は0円。ランニングコストも従来と全く変わらず、月2,200円〜3,000円程度。まったく夢のような話である。適切な表現が浮かばないが、「いい時代になった。長生きしてよかった」という感じである。
 
 
 
 しかし、こういうものが簡単に手に入る世の中というのはどうなのだろう。私の子どもの頃は、「勉強して知識を頭に入れなさい。火事になってもなくならないから」と言われたものである。こういうものが出てきてしまうと、子どもに勉強させるのもなかなか難しいだろう。
 
 ともあれ、早く自由に使いこなせるようになって、「夢」の世界を満喫したいものである。