カクカクの北海道Uターン週記

「元」日本語教師 /「元」旧司法試験受験生によるカクカクの北海道Uターン週記

絶対評価

 10月も下旬となり、札幌もめっきり寒くなった。先日は初めてストーブをつけたし、タイヤ交換も済ませた。
 
 寒くなると、受験生気分が盛り上がるわけだが、今月いっぱいはぼちぼちでいい。来月からスイッチを切り替えて勉強していくつもりである。
 
 塾の子も、来月中旬に期末試験が控えているが、今はぼちぼち。来月からはそれなりに勉強ムードが高まっていくことと思われる。
 
 塾には、3つの中学校(いずれも西区)から生徒が来ているのだが、内申点のつけ方にあまりに差があり、直接の当事者でない私でも不公平感を覚える。
 
 現在、札幌市立の中学校では、内申点(通知表の成績)は「絶対評価」。我々の時代のように「5は7%だけ」といった縛りがない。極端に言えば、クラス全員に5がつくこともあり得る。まあそれはそれでよいとしても、その内申点が高校入試に大きく影響するので、問題なのである。
 
 A中学は評価が甘く、60%の達成度でも5をつける。一方B中学は辛めで、85%の達成度でも4しかつかない。その結果、A中学出身の子は甲高校に入れ、B中学出身の子は乙高校にしか入れない。こういうことが現実に起こっている。
 
 塾でも、「授業中2回しか寝てないし、宿題も半分以上やった。テストも平均点はクリアしているのに4しかつかなかった」などとふざけた主張をするのは、A中学の子である。A中学では、「4が2つあるだけであとはオール5」程度の成績では、せいぜい中の上である。だから、内申点を見ただけでは、その子の実際の学力は分からず、適切な受験指導ができない(さらにいえば、最近は偏差値を出さないことが多いので、定期テストの成績を見ても、やはり学力は不明である)。
 
 A中学の場合、クラスの上位4割程度に5がついている教科もあるようである(そのため、5を取れなかった子の親が学校にクレームをつけるケースもあるようだ)。A中学のような極端な例は稀かもしれないが、どこの学校でも内申点はインフレ気味となるだろう。誰が考えたか知らないが、馬鹿な制度である。
 
 絶対評価にするなら、入試の合否判定における内申点の影響度を下げるべきである(現在は原則として50%)。あるいは、1〜4は自由裁量でつけられるとしても、「5だけは上位○%しかつけない」というようにすべきである。
 
 彼らは「ゆとり」のうちに一生を終えられることはできないことに気付かないまま中学校を卒業していく。