カクカクの北海道Uターン週記

「元」日本語教師 /「元」旧司法試験受験生によるカクカクの北海道Uターン週記

北斗星の旅(総集編)

 昨日エントリーしたNHKのど自慢。25年前とは異なり、今は生放送だという。私は妻の実家の大画面TVで視聴した(留守録をセットして出掛けた)。母は緊張甚だしかったものの、実に若々しく、輝いていた。適度な会場の笑いと二つの鐘の音をゲットして、彼女は大舞台を後にしたのであった。
 
 さて、17日から1週間の日程で出掛けた本州大遠征=北斗星の旅。その間、当ブログはリアルタイムで更新していた(メールでのエントリー)が、その際触れなかった部分を中心に、今一度振り返ってみることにする。「続きを読む」からどうぞ(長文かつ写真たくさんスミマセン)。 
〜17日〜
 荷物をゴロゴロ(栄養ドリンクをまとめ買いしたりすると付いてくるアレ=写真参照)に結わえ付け、15時前に自宅を出発。札幌駅でお土産や弁当を買い込み、17時過ぎの北斗星に乗り込む。北斗星は、デュエット(2人用個室のエコノミークラス?)の2階。窓が側面から上方にかけて設置されており、お洒落な雰囲気である(乗車時間の大部分は夜間なので、必ずしも景観良好というわけではないが)。“寝台列車乗車”及び“内地上陸”という二つの非日常が重なって興奮したのか、ほぼ眠れず。
  
 
 「翌日が択一」という状況なら、眠れないのは一大事なのだが、今回は面接的なものが控えているとはいえ、比較的気楽ではある。Ad[es]で“移動”絡みのアプリ=03Navi、WhereNow、NextTrain=を試したりしていた。
 
 今回の旅行に備えてデータを入力しておいた03Naviは、無事に動いて一安心。時刻表の地図と照らし合わせると、今どの辺りにいるのかがそれなりに分かって面白かった(残念なことに、3日目ぐらいからうまく動かなくなってしまい、以降は起動せず)。
 
 WhereNowは、Today上に現在の住所を表示してくれるアプリだが、大ヒット。何県何市にいるのかがワンタップで分かり、大変重宝した。いつも勝手知ったる札幌市内にいるわけで、利用機会はないのだが、土地鑑のない場所に行くときの必携アプリとなった(写真右上)。
 

 NextTrainは、時刻表アプリで、毎日のように利用させていただいている(地下鉄時刻を調べたりする)のだが、今回は「次の停車は何時に何駅か」を知るのに利用。あらかじめ準備しておく必要がある(作業は非常に楽である)が、北斗星のような長時間の列車の旅には有効であった(同右下)。
 なお、デュエットにはコンセントがなく、アドエスの充電ができない。「長旅のお供にアドエスで映画鑑賞を」などとお考えのお方はご注意を。
 

1日目  
通 過  3=北海道、青森、岩手 
交 通  2=バス、北斗星 
宿 泊  車中泊北斗星) 

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〜18日〜
 北斗星で起床。9時半すぎに上野駅着。今日は夕方、京都でアポを入れてあるので、東京を素通りして京都に向かう。そこで、新幹線(人生初のグリーン車)に乗ったのだが、これが快適至極。北斗星からの乗り換えであることを差っ引いても、その素晴らしい乗り心地と速さは「恐るべし」の一言であった(これに味をしめた我々は、この後幾度となく新幹線(もちろんグリーン)を利用することとなる)。写真は北斗星を降りた妻と新幹線の車窓越しに撮った品川の風景。
  
 
 快適な行程を経てたどり着いたのは9年半振りの京都。アポは17時半なのだが、できればホテルでこざっぱりしてから臨みたかったので、早め(午後イチ)に到着(写真は有名な京都駅の大階段の上からクリスマスツリーを見下ろした図)。
 
 
 流石に早すぎて未だチェックインは出来ず、京都駅のコーヒーショップで時間を潰す。その後、ゴロゴロを引きずってホテルに入り、ヒゲを剃り、シャワーを浴びて着替え、懐かしい日本語学校へ。学校では知った方が数人以上いて、本当に暖かく迎えて下さった。で、場所を移して会談。
 
 当日のエントリーにも記したように、先生との面談内容は内緒にしておくが、いかにも京都風の料理を出してくれる料理屋で3時間ほど話しただろうか。料理を味わう余裕がなかったのが残念だが、その分妻が京都の味を堪能したようであった(写真はホテル隣の西本願寺と京都風の一品)。
  
 

2日目  
通 過  12=岩手、宮城、福島、栃木、埼玉、東京、神奈川、静岡、愛知、岐阜、滋賀、京都 
交 通  5=北斗星、JR山手線、東海道・山陽新幹線ひかり、京都地下鉄烏丸線、タクシー 
宿 泊  聞法会館(京都市) 

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〜19日〜
 京都のホテルで起床。今日は純粋にOffの一日(もしものために予定を入れないでおいた)。それなりに早起きしたので、四国に渡ることに(私はうどん、妻は金毘羅さんが目当て)。
新幹線で岡山に向かい、そこでゴロゴロを預け、身軽になって四国上陸(今回の旅行で思い知ったが、やはり大きな荷物を持っての移動は厄介である。ケチらずにコインロッカー等を積極的に利用すべきである)。写真は車窓から見た瀬戸大橋。
 
 琴平駅で降り、何はともあれうどんを食す(当日のエントリーには釜揚げの写真を載せたので、今回は妻発注のものを)。で、いざ785段の階段に挑む……と構えていたのだが、運動不足甚だしい私でも、どうということはなかった(心肺機能に少しキタが、翌日以降も筋肉痛にはならず。まさか筋肉がないのか?)。写真のような階段が延々続くのだが、上れば上るほど気温は下がり体温は上がる。汗が出ては冷えるの繰り返しなので、もしかしたらこの後の妻の体調不良はこれが原因だったかもしれない。
 
 
 無事降りてきて、再びうどんをいただく(香川といえばうどんである。二食ぐらい食っても罰は当たるまい)。で、来たルートを引き返し、岡山駅でゴロゴロを回収して新幹線で一路名古屋へ。名古屋のホテルは素泊まりにしたので、チェックイン後、駅地下に出向きそこで噂の味噌カツをいただく。正直、最初の一口はギョっとしたが、練り辛子をつけて食うと旨い。乗り物酔い気味で食欲が……などと思っていたが気のせいであった。
  
 
 ホテルでは、フロント付近限定ながら無線LANが使えた。私にとって、外での無線LANは初めての体験である(旅行前に妻の実家で試したのみ。便利そうなアプリWifiInfo=写真上参照=を入れておいた)。無線LANは、「夢」若しくは「未来」の実現であった。パケット代もかからないので、フルブラウザを搭載したアドエスなら完全に自由なネットサーフィンが叶う。これほどとは考えていなかったので、ブックマークを全く移しておらず、“試用”にとどまったのが悔やまれるが、世の中、進んでいるなあと感じたことであった。
 

3日目  
通 過  8=京都、大阪、兵庫、岡山、香川、滋賀、岐阜、愛知 
交 通  5=東海道・山陽新幹線ひかり×2、同レールスター、JR瀬戸大橋線土讃線×2 
宿 泊  第2スター名古屋(名古屋市) 

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20日
 名古屋のホテルで起床。昨夜から調子が悪そうだった妻がダウン。新型であれば非常にマズいわけだが、熱は出ているもののビックリするほど高いわけでもなさそうではある(根拠は私の掌の感触)。彼女は、特に胃が悪いようだと、持参した胃薬を服用(結局旅の途中で飲み尽くしてしまい、追加購入を余儀なくされた)。
 
 幸い今日は長野の伯母さん(妻の亡父のお姉さん)と落ち合って、そのまま温泉泊まりの予定なので、そこで暖かくしてリラックスすれば良くなるかもしれない。不安を抱えつつも、L特急ワイドビューしなの号に乗って長野へ。ワイドビューというだけあって車窓に映る景色は見事であったが、弱った妻は隣で休んでいるのであった。
 
 
 この伯母さんとは数年前に北海道でお会いして以来であったが、相変わらず聡明な方でお元気。伯母さんのクルマを私が運転して、ファミレス(昼食)→お墓参り→ご自宅を経て、戸倉上山田温泉へ。
 
 私は妻の調子が気になって必ずしも寛げたわけではなかったが、温泉は硫黄の香りが強く、いかにも私の皮膚病によさそうなお湯。特筆すべきは、貸切風呂(サービス)。小一時間を独占できるお風呂が何種類かあり、ヒノキ風呂をチョイスしたのだが、これが気持ちいいの何の! 「伯母さん+妻」で30分程入っていたので、私は「ゆったり」とはいかなかったが、文字通り手足を伸ばして温泉を堪能したのであった。
 
 
 ここでは部屋でも無線LANが使えた。こういうと何だが、長野の田舎の温泉宿ですらそういうサービスを提供していることに少なからず驚かされた私。私が試験勉強にかまけているうちに、世の中は本当に進んでいたのである。
 
 妻の調子が少しでもよくなってくれたら、と祈りながら、3人川の字になって就寝。
 

4日目  
通 過  2=愛知、長野 
交 通  2=中央本線篠ノ井線、クルマ 
宿 泊  亀屋本店(長野市) 

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〜21日〜
 長野の温泉宿で起床。夜中に目が覚めて温泉に入りに行ったりして、私は未だ寝不足解消せず。しかし、ぽかぽかと温まり、幸せな朝である。気がかりなのは妻の体調。悪化しているようなら病院へ(保険証も持って来ていた)、とも考えていたが、温泉効果か調子は戻った様子で表情が明るい(実際、私の掌によれば熱は下がっていた)。ああよかった!
 
 温泉ならではの朝食をいただき、クルマで長野市内へ向かう。途中ソバでも、と思ったが、伯母さんは、長野県人のくせに(笑)ソバは嫌い、むしろファミレスがいいとのこと。で、アップルグリムへ(こういう「内地にしかないチェーン店」というのは、道産子にとっては一種憧れ(特に我々のように、「昔利用していた店」には懐かしさも)があって、入れることに喜びを感じるものである(その想いが、今夜の「餃子の王将」にも現れている))。
 
 長野駅で伯母さんと別れ、長野新幹線に乗って東京へ。今夜は在京の妹とアポを入れてある。
 
 
 神田のホテルにチェックインし、しばらく休んでから妹と会うべく約束の秋葉原へ。[es]と出会ってから、是非来てみたかった「アキバ」。私は今そこに足を踏み入れているのであった。妹がデジカメを見たいということだったので、秋葉原駅ヨドバシカメラ内デジカメコーナーで待合せ。
 
 久し振り(数年振りか?)に会った妹であったが、普段ちょくちょく電話で話している(彼女もウィルコマーなので通話料タダ)こともあり、挨拶でもなくいきなりデジカメの商談へ。我々も先日デジカメを購入したばかりで、その際、店員さんからいろいろ聞いていたので、妹と店員さんとの話についていけてなかなか面白かった。
 
 で、結局彼女はその場で購入。キャッシュの持ち合わせがないとのことで、彼女が持っていた金券を(等価で)「買って」やり、(値引き交渉等を経て)無事お買物終了。で、「餃子の王将」を求めて神田駅まで歩いて戻り、10年ぶりの味に舌鼓を打つ(安くて旨い!)。流石に落ち着いて話しをするには場違いなので、純喫茶?に河岸を変えてお茶(妹と。縞々が私)。
 
 
 ウェイトレスの方の名札を見ると(私は苗字に興味があるので、お店に入ったりすると、いつも名札をチェックする)実に変わった苗字。で、尋ねてみると中国人(吉林省朝鮮族)だったので、妹が韓国語で話しかけたり(妹の最近の趣味は韓国語だそうで)。
 
 翌日も早朝から仕事だという妹とは21:30頃別れた。我々はそのまま徒歩でホテルに帰り、バタンキュー(死語?)。
 

5日目  
通 過  3=長野、埼玉、東京 
交 通  3=クルマ、長野新幹線、JR山手線 
宿 泊  グランドセントラルホテル(千代田区) 

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〜22日〜
 神田のホテルで起床。カーテンを開けると隣のビルの壁、という東京らしいホテルだったが、朝食バイキング(有名らしい)を美味しくいただき、帰りの予定を考える。上野発の北斗星を予約してあるのだが、やはり新幹線の誘惑は強烈で、せっかくなら東北新幹線にも乗ってみようぜ、と予定を変更。途中、宇都宮で餃子を食い、後から来る北斗星を待ち受ける作戦をとることにした。そこで、いったん東京駅に出て荷物を預けてから恩師とのアポ(四谷)に向かう。
 
 昼前に恩師と再会し、タクシーでペルー料理店へ移動。そこでお昼をゴチになりながらお話し。やはりというべきか、結構「重い」時間とはなったが、ひととおりの成果を残して会談終了(例によって内容は内緒)。
 
 これで今回の旅のアポイントメント(京都、長野、妹、恩師)は完全終了。あとは余韻を楽しみながら北海道へ戻るのみである。東京駅に戻って荷物を取り、東北新幹線に乗って餃子宇都宮を目指す。この新幹線はナント2階建て(の2階)。乗り心地といい、スペースといい、今回の旅行のハイライトだった(残念ながら乗車は小一時間のみ)。
 
 
 計画通り、宇都宮で下車。駅前はもう餃子の店しかないのでは?というぐらいの餃子の街だ。美味しい餃子店をリサーチするも、札幌ラーメン同様、やはり「旨い店は並ぶ」らしい。勧めてもらったうちの一軒は1時間待ちとのことでパスし、同じく勧めてもらった隣のお店へ。そこでも相当待ったが、お陰で美味しい餃子をいただくことができた(2日連続餃子だが、それはそれでいいでしょう)。
  
 
 20:30頃、宇都宮駅から北斗星に乗り込む。これであとは北海道に帰るのみである。
 

6日目  
通 過  5=東京、埼玉、栃木、福島、宮城 
交 通  6=JR中央線×3、タクシー、東北新幹線北斗星 
宿 泊  車中泊北斗星) 

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〜23日〜
 最終日。北斗星で起床。やはり寝台は眠れないが、それでも来たときよりはずいぶん寝た気がする。このまま札幌まで乗っていてもいいのだが、途中函館で降りて朝市でメシ、函館からはスーパー北斗で帰ろうということにして、昨夜のうちに車掌さんにも伝えてあった(そうしたら、函館着の30分ほど前に、車掌さんが「そろそろお時間ですよ」と声を掛けに来てくれた。JRのサービスもなかなかである……ということを、後に乗るスーパー北斗でも思い知ることになるのだが)。
 
 函館には6時半ごろ着。十数年ぶり?の朝市に乗り込む。当日のブログにも書いたが、やはり函館はイカ絶対にイカイカ刺し定食の方の写真を載せておく。
 
 
 朝メシを食った後、駅に戻ってコーヒー。で、スーパー北斗に乗車。この列車は、客室乗務員もいる(相当な美人だった)し、フリードリンクサービスもあって、飛行機さながら。膝掛けを借りて座席を倒し、この旅行で初めて列車で眠った(もちろん寝台は除く)。
 
 途中、長万部のかに飯(予約販売)を購入してもりもり食っていたら、美人のお姉さんが「お茶をお持ち致しましょうか?」と声を掛けてくれるなど、行き届いたサービスで、JRもやっと親方日の丸体質が抜けたかななどと思った次第である。
 
 スーパー北斗を新札幌で降り、鈍行に乗り換えて平和駅まで乗り、そこからMKタクシーを呼んで帰宅。まあ疲れたが、この1週間は楽しい時間であった。大きなトラブルもなく、宿泊先にも恵まれた(各日付の宿泊施設名クリックで、当該施設のサイトに飛びます)。15年ほど前に、ニュージーランドを2週間ほど旅したことがあるが、それに勝るとも劣らない、よい旅であった。1週間で、1都1道2府15県を巡った旅であった。
 

7日目  
通 過  4=宮城、岩手、青森、北海道 
交 通  4=北斗星スーパー北斗、JR千歳線、タクシー 
宿 泊  - 

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 フルムーンパスは、可能なら是非活用すべきである。一部(新幹線のぞみとか)を除き、全ての列車が乗り放題(グリーン車含む)。我々が利用した7日間の場合だと、2人合わせて99,900円と破格の安さである(ただし後述のように期間の制約がある)。これのお陰で贅沢な旅(新幹線はほぼ全てでグリーン席に乗った)をさせてもらった。
 
 また、最終日の食事(朝も昼もカニ絡み!)に代表されるように、“食”の部分も贅沢をさせてもらった。さらに、今回の旅行を睨んで、デジカメや靴、コート等も新規に購入した。こういうことは人生初であったと思う。
 
 しかし、本当に贅沢な使い方をしたのは「時間」だったかもしれない。フルムーンパスは、盆や正月、GW期間は使えないから、丸々1週間休むことができる環境になければ恩恵に浴せないのだから。
 
 ともあれ、今回の旅行で、春からの京都生活が決まった。彼の地で再び一からやり直し、結婚30周年あたりで再びこういう旅行ができたらなあと思う私であった。