カクカクの北海道Uターン週記

「元」日本語教師 /「元」旧司法試験受験生によるカクカクの北海道Uターン週記

十円玉

 先日予告したとおり、忙しい。下らない用事もあるので腹立たしさを覚える局面も多いわけだが、全体としては、まあ充実している(ということにしておく)。
 授業もかなり入っていて、今週は10年前にバリバリやっていた頃とほぼ同じだけのコマ数となった(30コマ弱)。「教える」以外の仕事が非常に多いため、授業のクオリティを維持するのも大変だが、やはり忙しくいられることは幸せかもしれないと前向きに考えている。
 
 さて、今週は校外学習の引率があった。これは、まあ言ってみれば“遠足”みたいなものなのだが、学習者(=外国人)を引き連れて、半日どこかに出掛けるというもの(無論、日本語学習の一環だから、遊園地のようなところに行くわけではない。その点、当地は名所旧跡・神社仏閣の類が多く、選択肢は豊富である)。
 今回は、宇治に行った。宇治といえば、平等院(=十円玉。世界文化遺産である)と考えるのが道産子だが、実はそこから徒歩20分ぐらいのところに、宇治上神社という世界文化遺産もある。この両者を巡った。
 
 恥ずかしながら、私は宇治は初めて。京都のことは、学習者の方が(比べるのも愚かなほどに)詳しい。彼ら以上に私が舞い上がってしまった。写真が平等院だが、アドエスのカメラではうまく全景が入らないので敢えて十円玉の構図とは変えてみた(十円玉は、写真左の方から見た図となる)。また、一万円の鳳凰も実はここ(ミュージアムで元になった像を観ることができた)。
 で、宇治川沿いを散策しつつ宇治上神社へ移動。こちらは修学旅行生もおらず、ひっそりとした佇まいで、わび・さびの世界である。当日はどんよりとした曇り空で、ほどよい冷気。湿った空気、木々と苔の緑、鶯の声。そういうものが相俟って、真に日本的な風景であった。
 
 ツバメやサギ(かな?)をも珍しがる私を、学習者は珍しがっていたのであった。